20✕✕年。文化がさらに発達したこの時代。東京都台東区にある浅草は、いつも賑わしかった。観光地でも有名な場所といえ、浅草寺の雷門などだが他にも多くの神社や商店街などがある。
 浅草寺(せんそうじ)は、140年近い歴史をもつ都内最古の寺だ。聖観世音菩薩様(御秘仏)が祀られている。
 そこを抜けてすぐに現れるのが、日本でもっとも古い商店街のひとつと云われている「仲見世通り」。
 浅草らしい工芸品や民芸品・甘味店など八十九の店がずらりと立ち並ぶ。

 俺は立花駆(たちばなかける)。東京にある大学で教育学部に通い将来学校の教師になるために毎日勉強中。
 と言っても俺の場合は、赤ん坊の時に捨てられ施設で育ったため学費、生活費は全て自己負担。そのためにバイト三昧。まぁ世で言う苦学生ってやつだ。
 そのために割りのいいバイトを探していた。するとたまたま住んでいる安いアパートのポストに入っていた喫茶店のバイト募集を見つける。少し離れた商店街の裏側にある小さな喫茶店。

 時給1500円。週4日勤務(休日気まぐれ)
勤務時間午前9~12時。午後17~20時間。どちらかでも可。
 バイト以外での手伝いでプラス特別手当て付き。4日勤務で時給1500円は、魅力的だ!
 それにバイト以外ってのがよく分からないが、それを手伝えば特別手当てまで付く。時間も大学が終わった後なら働けるし。しかし休日が気まぐれって何だ?
 まぁ、よく分からないが喫茶店の仕込みとかの手伝いか何かだろう。
 俺は、その時は、そんな風にお気楽に考えて、そのバイトに飛びついた。
 しかしそれは後になって後悔することになると、この時は思ってもみなかった。

 そして、バイトを始めて数ヶ月後。このお店には謎のルールがあった。
 はぁっ? 駅近くに住んでいる最高年齢の名は? 最高……高齢者?
 俺は、必死に思い出す。何故こんなことをしているのかは、これが書いたのが店長だからだ!