舞花はベンチに座って僕が練習にとりかかる準備をじっくりと見ていた。 それがなんだか、気恥ずかしかった。 いつものドリブル練習やシュートの練習に気合が入る。 かっこいいところを見せたくなる。 何がかっこいいのか、よくわからないけど。 何も言わず、ベンチに座ってこちらを見つめる舞花の視線が気になった。 顔には柔らかな笑みをたたえているのに、どこか寂しそうだった。 そんな表情を、僕は前にも見たことがある。