中学に入ると部活に入る子がほとんどだ。
だけど舞花は部活には入らなかった。
自分と同じように部活をしていない友達と帰ってきたり、一人で帰ってくる日もあった。
部活が終わってみんなが学校から帰ってくる時間になると、少しだけ外に出ることもあった。
土日はほとんど遊びに行く。
中学生になりたての時は、午後から夕方まで遊ぶのが定番だった。
それがしばらくすると、午前中から出かけることも増えた。
お昼をまたいで、やはり夕方に帰ってくる。
お昼ご飯は自分たちでファストフード店やショッピングモールのフードコートで済ませる。
ショッピングモールならおやつまで賄えるとか。
そして友達とおそろいのものを買ったり、ゲームセンターに行く。
初めてプリクラを撮った日は、目を輝かせて説明してくれた。
友達のことも教えてくれた。
買ってきたものを見せてくれた。
その品々を、僕たちはまだなかなか受け入れられないでいた。
いつ使うのかよくわからない機能付きの定規。
けばけばしい色づかいのシール。
目がぐりぐりと動く謎の生物のキーホルダー。
触り心地だけは良いボール。
__こんなもの、一体何に使うんだろう。
何が良いんだろう。
こんな趣味なのか。
友達とおそろいだというキーホルダーを早速鞄に付け、おそろいで買ったシャープペンシルを大切そうに使った。