「おっ!」
あさひの家を出て1人来た本屋でいつものあいつと会った。よぉと手を上げ近付いて来る。
太陽ともずっと一緒な気がする。
「碧斗、何してんの?」
「何って、どう見ても本買ってるだろ」
「そんなこと聞いてねぇよ」
「じゃあ何を聞いてんだよ?」
ジュースを奢ってくれるというので、特に用もなく暇だったから付き合うことにした。自販機でペットボトルの炭酸飲料水を買ってもらって公園まで歩いた。
真冬の公園、あまり人がいなくて空いていたブランコに並ぶように乗った。軽く漕ぎながらペットボトルの蓋を開ける。
すでに先に飲み始めていた太陽のブランコは止まったままだった。
「もうすぐだな、…あさひさんの結婚式」
「あぁ」
「…行くんだろ?」
「呼ばれてるからな、一応」
すぐにペットボトルの蓋を閉じた。
冷たい炭酸飲料水なんかにするんじゃなかった。こんな寒い日に、余計に虚しくなるだけだったのに。
あと3日、あと3日で村瀬あさひは村瀬あさひじゃなくなる。
「…永遠に来なきゃいいのに」
漕ぎ始めたはずのブランコもすっかり止まっていて、もう一度漕ぎ出す気にもなれなかった。自然と顔は下を向き、体の力が抜けたようだった。
「なんだよ碧斗らしくない、お前はもっと気取ったやつだろ!」
半分以上飲み干されたペットボトルでコンッと俺の頭を小突いた。
「…俺のことそんな風に思ってたのか」
「真っすぐでカッコいいと思ってた!」
「嘘つけよ、現実見ろだなんだ言ってきたのは誰だよ」
「でも現実は見たんだろ?」
あまりにストレートに言い放つから、目を丸くして太陽の方を見てしまった。
「…お前、めちゃくちゃひどいこと言うな」
「事実を言ってるのみだよ」
「引いてるわ!」
嫌でもため息が出た。
白い息が宙を舞った。
急に太陽が微笑みながら手を振りだした。
何かと思い、その手を振る先に視線をやると美羽がフェンス越しに大きく手を振っていた。
…待ち合わせのついでだったなコレ。
あさひの家を出て1人来た本屋でいつものあいつと会った。よぉと手を上げ近付いて来る。
太陽ともずっと一緒な気がする。
「碧斗、何してんの?」
「何って、どう見ても本買ってるだろ」
「そんなこと聞いてねぇよ」
「じゃあ何を聞いてんだよ?」
ジュースを奢ってくれるというので、特に用もなく暇だったから付き合うことにした。自販機でペットボトルの炭酸飲料水を買ってもらって公園まで歩いた。
真冬の公園、あまり人がいなくて空いていたブランコに並ぶように乗った。軽く漕ぎながらペットボトルの蓋を開ける。
すでに先に飲み始めていた太陽のブランコは止まったままだった。
「もうすぐだな、…あさひさんの結婚式」
「あぁ」
「…行くんだろ?」
「呼ばれてるからな、一応」
すぐにペットボトルの蓋を閉じた。
冷たい炭酸飲料水なんかにするんじゃなかった。こんな寒い日に、余計に虚しくなるだけだったのに。
あと3日、あと3日で村瀬あさひは村瀬あさひじゃなくなる。
「…永遠に来なきゃいいのに」
漕ぎ始めたはずのブランコもすっかり止まっていて、もう一度漕ぎ出す気にもなれなかった。自然と顔は下を向き、体の力が抜けたようだった。
「なんだよ碧斗らしくない、お前はもっと気取ったやつだろ!」
半分以上飲み干されたペットボトルでコンッと俺の頭を小突いた。
「…俺のことそんな風に思ってたのか」
「真っすぐでカッコいいと思ってた!」
「嘘つけよ、現実見ろだなんだ言ってきたのは誰だよ」
「でも現実は見たんだろ?」
あまりにストレートに言い放つから、目を丸くして太陽の方を見てしまった。
「…お前、めちゃくちゃひどいこと言うな」
「事実を言ってるのみだよ」
「引いてるわ!」
嫌でもため息が出た。
白い息が宙を舞った。
急に太陽が微笑みながら手を振りだした。
何かと思い、その手を振る先に視線をやると美羽がフェンス越しに大きく手を振っていた。
…待ち合わせのついでだったなコレ。