「あーさーひ!」
津倉碧斗、中学2年生。
慌ただしく家から出てきたのは隣に住んでる村瀬あさひ。
「そんなあわててどっか行くの?」
「うん、仕事!」
「土曜日なのに?」
「休日出勤だよ!やばい、電車ギリ!行ってくるね!」
スーツ姿にわたわたと上手く履けていないヒールを履き直して走っていく。
走るならもっと走りやす靴履けばいいのに。スーツだって動きにくそうだし。
「いってらっしゃーい!」
背中に向かって大きな声で叫んだ。その声に答えるようにあさひが右手を上げて、手を振った。
社会人3年目のあさひは仕事が忙しいらしい。
しょうがない、家に戻るか。
そう思って振り返ると、一台の車が正面から走ってきて家の前で止まった。
あ、なんか見たことある奴が乗って…
「よ、碧斗!久しぶりだな!」
颯爽と運転手席から降りてきた。
「げっ、兄貴…!」
「げって何だよ、久しぶりに会う兄ちゃんに 言うことか!」
13歳上の兄・拓海、趣味はボルダリングで特技は4の字固め。
さすがにかけられたことはないけど、ゴリゴリの筋肉見るたびあれにはなりたくないと思ってた。
「なんでいるんだよ」
「なんでって自分家だから帰って来るぐらいするだろ。2、3日泊ってくからさ」
「へぇー」
「もっと兄ちゃんに興味持てよ!」
高校を卒業してから一人暮らしをしてる兄貴とは正月とかお盆とかそんな時にしか会わない。だから兄貴って感情も薄くて別に話したいこともない。
話半分に2階へ上がった。自分の部屋に入るとすぐにバタッとベッドの上に倒れこんだ。
目の前には昨日やったままのテレビに繋がったゲーム機、…片付けるのめんどくさくて放置してた。
最近全然あさひと喋ってないな…
前はもっと一緒に出掛けたり、遊んだりしたのにな。あさひの家に行ってもいなかったり、いても忙しそうで邪魔しちゃ悪い気がする。
つまんないなー…
もっとあさひと話したいのになー…
ウトウトと睡魔が来た。ふわぁーっと気持ちよくなって、身を任せるように目を閉じる。すぐに意識は夢の中へ旅立っていった。
津倉碧斗、中学2年生。
慌ただしく家から出てきたのは隣に住んでる村瀬あさひ。
「そんなあわててどっか行くの?」
「うん、仕事!」
「土曜日なのに?」
「休日出勤だよ!やばい、電車ギリ!行ってくるね!」
スーツ姿にわたわたと上手く履けていないヒールを履き直して走っていく。
走るならもっと走りやす靴履けばいいのに。スーツだって動きにくそうだし。
「いってらっしゃーい!」
背中に向かって大きな声で叫んだ。その声に答えるようにあさひが右手を上げて、手を振った。
社会人3年目のあさひは仕事が忙しいらしい。
しょうがない、家に戻るか。
そう思って振り返ると、一台の車が正面から走ってきて家の前で止まった。
あ、なんか見たことある奴が乗って…
「よ、碧斗!久しぶりだな!」
颯爽と運転手席から降りてきた。
「げっ、兄貴…!」
「げって何だよ、久しぶりに会う兄ちゃんに 言うことか!」
13歳上の兄・拓海、趣味はボルダリングで特技は4の字固め。
さすがにかけられたことはないけど、ゴリゴリの筋肉見るたびあれにはなりたくないと思ってた。
「なんでいるんだよ」
「なんでって自分家だから帰って来るぐらいするだろ。2、3日泊ってくからさ」
「へぇー」
「もっと兄ちゃんに興味持てよ!」
高校を卒業してから一人暮らしをしてる兄貴とは正月とかお盆とかそんな時にしか会わない。だから兄貴って感情も薄くて別に話したいこともない。
話半分に2階へ上がった。自分の部屋に入るとすぐにバタッとベッドの上に倒れこんだ。
目の前には昨日やったままのテレビに繋がったゲーム機、…片付けるのめんどくさくて放置してた。
最近全然あさひと喋ってないな…
前はもっと一緒に出掛けたり、遊んだりしたのにな。あさひの家に行ってもいなかったり、いても忙しそうで邪魔しちゃ悪い気がする。
つまんないなー…
もっとあさひと話したいのになー…
ウトウトと睡魔が来た。ふわぁーっと気持ちよくなって、身を任せるように目を閉じる。すぐに意識は夢の中へ旅立っていった。