もう暗い空の中とぼとぼと帰る僕は、なんとも言えない感情に襲われた。


やっぱり、書かない方が、良かった。

僕だって、分かるかな。

いや、分からないだろう。

何年も、前の話。


それに、〝ごめん〟だけ。



やっぱり、あの文字は朝早く行って消そうと思っていたのに、見事に寝坊して走って学校に行く僕は、最後までダメなやつで。


ギリギリ、朝のホームルームに間に合い、はあはあと息切れしながら席に着く。足が速くて良かったと思って荷物をドサッと置いた時、鞄の下に何かがあった、ような気がして。



鞄の位置をずらし、そこにある文字を見れば、今でさえ息が荒いのに。
呼吸が、止まるかと思った。



〝いいよ〟



僕の、机。

僕の机なのに。


小さい文字で書かれたそれは、それは―――⋯