ほかにも好きなやつがって言ったから
だから そんなの考えられないって
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いや そういう意味じゃないし
なんでそんな勘違いになるんだよ
好きだって言った相手に
ほかのやつ薦めるわけないじゃん
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知らないよ わかんないよ
じゃあ あの返事なんだったの?
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美久のこと心配してる友だちのこと
意地張って気を遣っても
ちゃんと美久のこと考えてるって
伝えようと思って
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わかるわけないじゃん
ちゃんと言ってくれないとわかんない
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そう書き込んだ瞬間、景くんが「めんどくさ……」と呟いた。
え、今なんて? 面倒くさいって言ったの? この状況で?
「そうだよあたしは面倒くさいんだよ!」
「あーそういう意味じゃない。そういう意味だけど、そうじゃない」
なにが。
「言っただろ。おれはからっぽになってもいるって」
「……言ってた、けど」
「なんであそこまで言ってるのに美久がおれの気持ちを信じてないのか、受け入れないのかがわかんねえ」
それ、は。
それは……。
あれは、そういう意味だったのか。
ただ単に、そばにいてくれるという、応援しているとか、認めているとか、そういう感じかと思っていた。
「おれは、ノートの相手が美久だって、結構前から気づいてたし」
景くんの耳は、ほんのりと赤くなっていた。
「相手が美久だってわかってなきゃ告白なんてできるわけないだろ」
あのときにはもうすでに、知られていたの?
じゃあもう、全部筒抜けだったんだ。
だから、あたしにあれこれ聞いて、その通りに振る舞っていたのか。てっきり参考にされているだけだと思っていた。
「ノートがあったから、美久の好みもわかったわけだし」
「それは、あたしも、だけど」
お互い様だった。
お互い相手を気にして、相手のためにと想った気持ちが空回りして、すれ違っていた。もっとはやく、素直に口に出していればこんなややこしいことにはなっていない。
でも、こうならなければ、気づけなかった。
景くんが好きなことも。
景くんがあたしのことを好きだと言ってくれる気持ちも。
「そもそも美久は、おれのことが好きじゃないと思ってたし」
「え? なんで?」
どうしてそうなった。
弾かれたように顔を上げて景くんを見ると、景くんは「弱みにつけ込んだから」と言う。たしかにあのとき、景くんは『利用していい』と言った。
でも、あたしはそうじゃないって、言ったよね?
え、言ってなかったっけ?
記憶を探るけれどよくわからない。
でも、景くんがはじめからそう思っていたのなら、あたしたちは最初からすれ違っていたのでは。
「告白されたらだれでもいいって言ってたし」
「そ! それは」
「おれのこときらいだって言ってたし」
言ったけども!
そうじゃない。ちがう。最初から全部説明しなければすれ違い続けてしまう。
景くんがこんなに考えていたなんてちっとも気づかなかった。自分のことばかりだったからだ。あたしのバカ。
どうしようかとパニックになっていると、 机の上のあたしの手に、景くんの手が重なった。
「幻滅した?」
「……してない。けど、あたしが気づくより先だったのはずるいと思う」
だから そんなの考えられないって
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いや そういう意味じゃないし
なんでそんな勘違いになるんだよ
好きだって言った相手に
ほかのやつ薦めるわけないじゃん
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知らないよ わかんないよ
じゃあ あの返事なんだったの?
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美久のこと心配してる友だちのこと
意地張って気を遣っても
ちゃんと美久のこと考えてるって
伝えようと思って
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わかるわけないじゃん
ちゃんと言ってくれないとわかんない
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そう書き込んだ瞬間、景くんが「めんどくさ……」と呟いた。
え、今なんて? 面倒くさいって言ったの? この状況で?
「そうだよあたしは面倒くさいんだよ!」
「あーそういう意味じゃない。そういう意味だけど、そうじゃない」
なにが。
「言っただろ。おれはからっぽになってもいるって」
「……言ってた、けど」
「なんであそこまで言ってるのに美久がおれの気持ちを信じてないのか、受け入れないのかがわかんねえ」
それ、は。
それは……。
あれは、そういう意味だったのか。
ただ単に、そばにいてくれるという、応援しているとか、認めているとか、そういう感じかと思っていた。
「おれは、ノートの相手が美久だって、結構前から気づいてたし」
景くんの耳は、ほんのりと赤くなっていた。
「相手が美久だってわかってなきゃ告白なんてできるわけないだろ」
あのときにはもうすでに、知られていたの?
じゃあもう、全部筒抜けだったんだ。
だから、あたしにあれこれ聞いて、その通りに振る舞っていたのか。てっきり参考にされているだけだと思っていた。
「ノートがあったから、美久の好みもわかったわけだし」
「それは、あたしも、だけど」
お互い様だった。
お互い相手を気にして、相手のためにと想った気持ちが空回りして、すれ違っていた。もっとはやく、素直に口に出していればこんなややこしいことにはなっていない。
でも、こうならなければ、気づけなかった。
景くんが好きなことも。
景くんがあたしのことを好きだと言ってくれる気持ちも。
「そもそも美久は、おれのことが好きじゃないと思ってたし」
「え? なんで?」
どうしてそうなった。
弾かれたように顔を上げて景くんを見ると、景くんは「弱みにつけ込んだから」と言う。たしかにあのとき、景くんは『利用していい』と言った。
でも、あたしはそうじゃないって、言ったよね?
え、言ってなかったっけ?
記憶を探るけれどよくわからない。
でも、景くんがはじめからそう思っていたのなら、あたしたちは最初からすれ違っていたのでは。
「告白されたらだれでもいいって言ってたし」
「そ! それは」
「おれのこときらいだって言ってたし」
言ったけども!
そうじゃない。ちがう。最初から全部説明しなければすれ違い続けてしまう。
景くんがこんなに考えていたなんてちっとも気づかなかった。自分のことばかりだったからだ。あたしのバカ。
どうしようかとパニックになっていると、 机の上のあたしの手に、景くんの手が重なった。
「幻滅した?」
「……してない。けど、あたしが気づくより先だったのはずるいと思う」