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　　そう言ってくれるのはうれしいけど
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　　でもやっぱりおれが悪いんだよ
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　　ごめん　気を遣わせてしまって
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　　むしろ負担にさせたよな　ごめんな
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　　回りくどいことをせずにぶつかればよかったな
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　　わかった気になって空回りしてたんだ
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　　でも　それでもやっぱり
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　　美久の前でおれはかっこつけると思う
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　　好きだから
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　　おれの見てた美久は本物の　本当の美久だと思う
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　　美久がなんて言おうとも
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　　だから　おれ以外にも　本当の美久を好きなやつは
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　　ちゃんといるからな　絶対
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　どういうこと。

　どう読んでも、〝あたし〟に向けられている内容だ。なんせあたしの名前がはっきりと書かれている。

　景くんは……ノートの相手があたしだって知っていた、ということだろうか。

　いつから？　なんで？

　パニックになってノートをめくる。どこで間違えた？　どこでミスをした？

　必死に手を動かして、そして、止める。

　今さらそれを知ったところで、あたしはどうしたいのか。
　っていうか、まだ交換日記を続けるつもりだった自分にうんざりする。

　すでに返事を書いたりして、そしてまた彼の返事を受け取りに朝早くに学校に来たりして。本当にバカみたい。往生際が悪い。続けてどうしたいんだ。

　でも、この展開は、予想していなかった。

　ずるずると床に座り込んで、手をついた。
　最低だな、あたし。最低すぎて、泣けてくる。

〝好きだから〟

　どうしてだろう。面と向かって言われた告白の言葉よりも、胸にずっと響いた。だからこそ、胸が苦しい。

〝おれ以外にも　本当の美久を好きなやつは　ちゃんといるからな　絶対〟

　これは、別れの言葉だ。
　そんな人いない。いなくていい。

「あたしが好きなのは、景くんだし」

　景くん以外に好かれたってうれしくもなんともない。

　誰でもいい、だなんてウソだよ。はじめから、わかっていた。だから、景くんなんかきらいだと自分に言い聞かせていただけの、意地っ張りなウソツキだ。