※※※

 ずっとずっと、大好きな人がいる。

 その人の名前は冬山(ふゆやま)柚宇(ゆう)

 私よりひとつ上の穏やかな先輩。

 心配性で、優しくて、誰よりも笑顔が素敵な人。

 あの日、助けてくれたあなたを私は忘れたくない。

 だから、私は想いを伝えた。

 あなたが中学二年生の時、塾の帰り道で。

 あなたは、それを受け取ってくれた。

 そこから、私は、幸せの絶頂にいた。

 でも、(またた)く間だった最高の時間は、もう過ぎ去って記憶の彼方へ消えている。

 結局、あなたと過ごせた時間は、たったの一ヶ月。

 もちろん、その間は、手も握っていないし、デートもしていないし、……キスだってしていない。

 どうして、私たちは別れたのだろうか。

 私の愛が重すぎたから?

 恋人らしいことを出来てなかったから?

 その原因は分からないけど、私は、一度、あなたにわがままを言いたい。

 最後、これが最初で最後だから。

 あなたにこれまでの感謝と想いを伝えさせてください。

 ※※※