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ずっとずっと、大好きな人がいる。
その人の名前は冬山柚宇。
私よりひとつ上の穏やかな先輩。
心配性で、優しくて、誰よりも笑顔が素敵な人。
あの日、助けてくれたあなたを私は忘れたくない。
だから、私は想いを伝えた。
あなたが中学二年生の時、塾の帰り道で。
あなたは、それを受け取ってくれた。
そこから、私は、幸せの絶頂にいた。
でも、瞬く間だった最高の時間は、もう過ぎ去って記憶の彼方へ消えている。
結局、あなたと過ごせた時間は、たったの一ヶ月。
もちろん、その間は、手も握っていないし、デートもしていないし、……キスだってしていない。
どうして、私たちは別れたのだろうか。
私の愛が重すぎたから?
恋人らしいことを出来てなかったから?
その原因は分からないけど、私は、一度、あなたにわがままを言いたい。
最後、これが最初で最後だから。
あなたにこれまでの感謝と想いを伝えさせてください。
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