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──憧れの先輩がいる。
ユウ君は、いつでも眠そうで、ボーッとしている。
気力がなくて、何事にも無関心な人だけど、仲良くなった人にはそれなりに関わりをもってくれる。
嘘には敏感で、隠している不安さえも、彼にはお見通しだった。
友達が俺しかいなくて、恋愛初心者で拗らせ過去すがり野郎なユウ君は、俺の憧れの人。
そして、恋敵。
あの日、本当にユウ君が嫌いだった。
本当に最低だと思った。
大切で、誰からも好かれている波葵を悲しませたユウ君が大嫌いだった。
けど、今は最高に憧れている人。
きっと、この先、これからも、俺はこの人の後ろを追っかけ回すのだろうか。
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