*  *  *

「そういえばオクト」

 古城からの帰り道でオレは尋ねる。

「報酬って何だ? さっき村長に聖石がどうとかって話してたよね?」
「うん。村長のいた建物に大きな宝石が3つあったでしょ、覚えてる?」

 覚えている。あの窓のない塔の内部を照らす暖かい光。
 
「あれが聖石。周辺の土地のマナの源だ」
「マナ……?」
「めっちゃ簡単に説明すると、大自然の生命エネルギー的な? アタシの魔法もマナを使ってるんだ。ホラ、あの光と似てるっしょ?」

 ジュリアちゃんが手をかざすと、手の平に淡い光が浮かぶ。確かに同じ光かも。

「大量のマナを宿す聖石を精製して、武器にするんだ。それで魔王を倒す」
「だから魔王討伐には聖石が必須ってわけ」

 なるほど。生命エネルギーの源であり、魔王を倒す手段か……。うん、まてよ?

「じゃあ、聖石がなくなったらその土地のマナってどうなるんだ?」
「うん、どうなんだろう? 何にしても聖石こそが魔王を倒せる唯一の手段だ」

 そこまで深く考えて出した疑問ではない。だからその時のオクトの不自然なはぐらかしにも、大して違和感は抱かなかった。