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 すべて目論見通りに進んでいた。背後の3万は動けず、前方の3万は術死体に翻弄されている。その状況を覆せるとすれば聖石兵器だが、連中がそれを使う様子もなく、ただひたすら戦闘能力をすり減らせていくだけだった。

「正直、ここまでキレイに策が決まるとは思ってなかったわ……」
「そう? 私は信じてたよ? 皆が必死で考え抜いて、すべての力を結集した策だったからね」

 伝令兵が走り込んできた。

「シホ隊がオクトの本隊を捕捉! シャリポ殿も応援に駆けつけましたが、オクトの抵抗凄まじく、身柄の確保には至っておりません!」

 あれか。丘の下では、追撃戦が始まっている。その中で猛烈な閃光が走った。同じところで何度も何度も。シャリポの炎熱魔法と、オクトが持つ数多くのスキルの応酬だろう。

「わかった、オレたちも行く」

 クルシュの手綱を握り、あぶみに足を引っ掛けた。いよいよ、最後の戦いだ。