*  *  *

『そんな、対聖石兵器が偽も……』
『シホさん、しっ! どこに間者がいるかわからないから』

 シホは慌てて口をつぐんだ。あの日、シホに手書きの作戦概要を投影した後のことだ。
 それは八賢者以外はシャリポしか知らない極秘事項だった。絶対にオクトに知られてはならないから、シホにも投影で伝えた。

 対聖石兵器。実はそんなものは存在しない。

『考えてみれば……私たちは聖石兵器で魔王を倒したんですものね……』
『その通り!」

 マナが存在しないところで聖石兵器が使用できないのだとしたら、オクトたちは魔王の宮殿で、それを使えなかったはずだ。
 マナと聖石を用いたそれっぽい理論もでたらめだ。全てはオクトの切り札を無効化させるための嘘だったのだ。