朝、下駄箱を開けると、そこにはアールグレイと英語の手紙。
「はぁ……」
がくっ。私は手紙を見てうなだれた。
毎日の手紙とアールグレイは、今もまだ続いていた。
だが、井関先生のところに持って行くことは出来なくて、読めない手紙は貯まる一方だった。そして、私のガッカリ感も溜まる一方だった。
「あっ!?」
バサッと音をたてるように、その手紙を後ろから取られた。
「ずいぶん来なくなったから、もう手紙も届かなくなったのかと思ってたら」
「井関先生!」
突然の井関先生の出現にドキドキと胸が音を立てる。
私の担任なのに話すことも出来なかったなんて変だって思っちゃうけど、それくらい会話ってしていなかった気がする。
「どうせ読めなくて、ため息ついてたんだろう」
“お見通しだ”というように、手紙に目をやりながら先生が言った。
「……」
そうなんだけどさぁ……。