私が夢見る朝日を

 また、あの夢を見た。

 人工脳が不具合を起こして以来、どうにも我慢できない睡魔に襲われることが多くなった。それにあの夢も頻繁に見るようになった気がする。だから正直、部屋に引きこもっていた時も怖くて、眠れずに過ごす日々が続いていた。

 部屋にいて起きていても、眠っていても暗闇に囲まれて取り込まれていく恐怖。どちらが現実なのか、見失いそうになっていた。

 日に日に、私を蝕む闇は深く濃くなっていく。ゆっくりと吸い込まれるように、私の身体の一部が消えていく。

 先生に元の状態に戻るしかないと言われてから、現実の世界は私のいるべき場所じゃない、こっちへ戻って来いと、夢の中の闇にそう言われているような気がしていた。

 私はまだ目覚めるべきじゃなかった。だから、今こうして呼び戻されているんじゃないかって。

 だとしたら、私は戻るべきなのかな。私自身が望んでそうした形でなくても、結果的に私は目覚めた。本当だったら経験できなかったようなことを短期間でいっぱいしたし、それがあまりにも楽しくて、目覚めてよかった、もう戻りたくないと思った。

 それは、いけないことだったのかな。だから、こんなに苦しいのかな。

 私の身体がすべてこの闇に取り込まれてしまったら、私はもう『私』ではいられなくなってしまうのかもしれない。いや、ある意味では本当の『私』に、あるべき姿の『私』に戻るのだけど。

 残されている時間は、たぶん多くない。だから私があっちの世界に行く時間が増えているのかもと、直感的に感じた。

 二人との約束。それが最後の夜になるかもしれない。

 そうしたら、私は――