――もっと人生楽しもうよ!
――瑞季くんが楽しそうでうれしい。
――命は命だよ。重いも軽いもない。
――わたしの勝ち。頑張って1年生きろ。
――救える命は救いたい。
――瑞季くんの力はすごいよ。
――死にたくないなぁ……。
――ん、約束。
成田さんの声が聞こえる。
これは夢?
いや、いつかの記憶か。
――瑞季くん!
君に名前を呼ばれるのは嫌いじゃない。
いつも僕の名前を呼んで、満面の笑顔の成田さん。
成田さんの周りはいつも明るくて笑顔であふれている。
僕は君と出会って、たくさんのことを知ったよ。
もっと一緒にいたいんだ。
一緒に生きていたいんだ。
――またね。
成田さんが大きく手を振って背を向ける。
胸が苦しくなって、息ができなくなる。
嫌だ。
今離れると一生会えない気がする。
そんな思いで手を伸ばすけど成田さんには届かない。
成田さんの姿は闇に紛れて見えなくなる。
会いたい。
成田さんに会いたい。
会いたい――。