星乃はぽかんとしたようにこちらに顔を向ける。

「だから作者の真意はわからないままってわけだ」

「あの、蓮上先輩はこの像と作者について、随分詳しいみたいですけど、これを作ったのって、有名な人なんですか?」

「さあ、どうかな。しかるべき場所ではそこそこの知名度だったらしいが。ただ、それとは別に、俺が個人的に知ってる人物だった。だから、さっき話したような、この像にまつわる作者の言動なんかについても詳しいってわけだ。だが、学校側もどうかしてる。作者の残した言葉の意味を調べようともせず、かといって撤去もせずに、ここにずっと置きっぱなしにしてるんだからな。きっと、この学校の偉いやつは、芸術を理解しない野蛮人に違いない」

「なかなか辛辣な事を言いますね。とても学校の犬である風紀委員長とは思えない反社会的言動です」

 そっちこそ辛辣だ。風紀委員長を何だと思ってるんだ。

 そこで星乃は何かに気づいたように首を傾げる。