とりあえずその日はもう遅い時間なのと、体育教師だけでは判断できないとの理由で、穴のまわりを簡易的にロープで囲っておざなりな安全対策をした後で帰宅させられた。
土も離れた場所に捨ててしまったので、すぐに元通りに埋めるのも難しかったからだ。
そして翌日の月曜日。
早朝から校長室へと呼び出された俺と星乃は、校長達の前で釈明を求められる事となったのだが――
「今回の件は本当に申し訳ありませ――」
「いえ、あの、私が勝手に計画してやった事なんです! 蓮上先輩は何も知らずに手伝ってくれただけで! 本当にすみません!」
俺の言葉に被せるように星乃はものすごい勢いで謝っている。元はと言えば俺の頼み事が原因であるから、俺が全ての責任を負って説明するのが筋なのだが、ここに来る前に、星乃は何故かそれを押しとどめたのだ。
そしてその理由を尋ねる間もなくこうして謝るに至っている。
「私、本当に申し訳ないと思ってるんです! 中庭の景観を台無しにするような事して。これは学校の一部を破壊したも同然です! とんでもない重罪です! 私、どうしたらこの償いができるか考えました。そして思いついたんです。この後行われる朝礼で、全生徒の前で謝罪させてください! お願いします!」
「あ、いや、何もそこまでしなくとも。私達は何も怒っているわけじゃないんだよ。ただ、納得のいく説明をだね……」
星乃の勢いに押された校長がなだめようとするが
「どうしても私の気が済まないんです! 謝らせてもらえないのなら、私、罪悪感に押しつぶされて、明日から到底学校に来られそうにありません! 登校拒否しそうな勢いです!」
脅しのようなよくわからない主張をしはじめた。
星乃が何を考えているのか俺には想像もつかない。けれど、彼女がそこまで言うからには、何か理由があるのかも。そう思い、俺も加勢する。
「どうか菜野花畑の希望通りにさせてもらえませんか? お願いします。許可をいただけるまで俺もここを動きません」
校長たちは戸惑ったように顔を見合わせる。
結局なかば脅迫するようにして、校長の了承を得られる事となった。
校長室を後にしながら俺は隣を歩く星乃に目を向ける。
「なあ星乃。朝礼で謝るのなら俺も一緒に――」
「いえ、それは私ひとりで大丈夫です」
「でも……」
「その代わり、蓮上先輩にはやってほしい事があるんです」
星乃は顔を上げると、俺の目をじっと見つめた。
土も離れた場所に捨ててしまったので、すぐに元通りに埋めるのも難しかったからだ。
そして翌日の月曜日。
早朝から校長室へと呼び出された俺と星乃は、校長達の前で釈明を求められる事となったのだが――
「今回の件は本当に申し訳ありませ――」
「いえ、あの、私が勝手に計画してやった事なんです! 蓮上先輩は何も知らずに手伝ってくれただけで! 本当にすみません!」
俺の言葉に被せるように星乃はものすごい勢いで謝っている。元はと言えば俺の頼み事が原因であるから、俺が全ての責任を負って説明するのが筋なのだが、ここに来る前に、星乃は何故かそれを押しとどめたのだ。
そしてその理由を尋ねる間もなくこうして謝るに至っている。
「私、本当に申し訳ないと思ってるんです! 中庭の景観を台無しにするような事して。これは学校の一部を破壊したも同然です! とんでもない重罪です! 私、どうしたらこの償いができるか考えました。そして思いついたんです。この後行われる朝礼で、全生徒の前で謝罪させてください! お願いします!」
「あ、いや、何もそこまでしなくとも。私達は何も怒っているわけじゃないんだよ。ただ、納得のいく説明をだね……」
星乃の勢いに押された校長がなだめようとするが
「どうしても私の気が済まないんです! 謝らせてもらえないのなら、私、罪悪感に押しつぶされて、明日から到底学校に来られそうにありません! 登校拒否しそうな勢いです!」
脅しのようなよくわからない主張をしはじめた。
星乃が何を考えているのか俺には想像もつかない。けれど、彼女がそこまで言うからには、何か理由があるのかも。そう思い、俺も加勢する。
「どうか菜野花畑の希望通りにさせてもらえませんか? お願いします。許可をいただけるまで俺もここを動きません」
校長たちは戸惑ったように顔を見合わせる。
結局なかば脅迫するようにして、校長の了承を得られる事となった。
校長室を後にしながら俺は隣を歩く星乃に目を向ける。
「なあ星乃。朝礼で謝るのなら俺も一緒に――」
「いえ、それは私ひとりで大丈夫です」
「でも……」
「その代わり、蓮上先輩にはやってほしい事があるんです」
星乃は顔を上げると、俺の目をじっと見つめた。