結局あの後、風紀委員長の立場を利用して、個人的な内容の放送をしたという理由で、生徒指導の教師や他の風紀委員にこっ酷く雷を落とされてしまっだ。風紀委員長が風紀を乱してどうするんだと。

 おまけに周囲からは「公開告白、いや、公開自殺だ」とか言われてからかわれるし。あれは自殺じゃない。「公開謝罪」だ。はあ、どうしたら撤回できるものか。気が滅入る。

 けれど、悪くない知らせもあった。結局あのショートカット女子達が持っていたのは、星乃の予想通りたちの悪いドラッグで、俺の林檎の貯金箱を利用して、それらを受け渡ししていたとか。

 そしてその人物達が、例の二人の女子から芋づる式に判明し、かかわった生徒は全員退学処分となったらしい。これで星乃の事をストーカー呼ばわりする奴が減ればいいんだが。

 そんな事を考えながら、テラコッタの林檎を修復する俺とは対照的に、星乃は美術室の机に頬杖をついてこちらを見ている。弛緩しきった顔に、にへらにへらとだらしない笑みを浮かべながら。

「何がそんなにおかしいんだ?」

「だって、先輩のあの放送がまだ頭の中をぐるぐるしてて……はー、友達っていいですねえ。スマホのムービーもまだ残してありますよ。『あいつは嘘つきなんかじゃない。俺の恩人だ』」

 俺からやらかした事だが、蒸し返すのはやめて欲しい。

「それに、先生の作った林檎も貰えたし。この幸せをこれからも味わえるのなら、美術部で暮らしてもいいくらい。なんて……えへえへ」

「林檎は譲ってないぞ。美術室に置いておくだけだ。君が見たい時に見れるようにな」

 これも一応の「シェア」というやつだろうか。

 そんな事を考えながら、林檎の貯金箱作りに集中した。