「え」

「見られた事を言いふらしますよ! 風紀委員長が女子生徒のパンツを見たなんて噂が蔓延すれば蓮上先輩の信頼は地に落ちるも同然! 風紀委員会に対する不信感も募り、挙句の果てに委員会を追い出されるかも……! いえ、むしろ追い出されるまで追い込みます! 私が!」

「なんだよそれ! 卑怯だぞ! むしろそっちから見せてきたんじゃないか!」

「どちらにせよ見たのは事実です。女子生徒達の蔑みの目に晒されるのが嫌なら、私の花壇作りに協力してください。というか、協力する以外の選択肢なんてありませんよね。おとなしく私の下僕と成り下がるがいいです。げひひ」

 実に悪そうな笑い方をしながら、星乃は俺に大きなシャベルをぐいぐい押し付ける。
 この悪魔め……。

 さりとて俺が彼女の下着について言及したのは事実であるし、それを言いふらされたりなんかしたら俺のイメージ低下は避けられない。

 特に女子のコミュニティは俺の考えが及ばないほど恐ろしい魔窟だと噂に聞いた事がある。

 そこに蠢く乙女の皮を被ったモンスター達の手にかかれば、いくら風紀委員長とはいえ一介の男子生徒である俺なんて秒殺確実であろう。

 結局、しぶしぶながらも俺はシャベルを手に取った。