そして翌日の放課後、部活動のために美術室に向かった俺は、信じられないものを目にした。

 また林檎が割れている。昨日と同じように俺の作ったものだけが、まるで引きちぎったように無惨な姿で塑像台の上に転がっている。

 なんなんだ一体……! なんで俺の作った林檎だけがこんな目に……?

 まさか本当に星乃がやったんじゃないだろうな……。

 考えかけて、即座にかぶりを振る

 いや、あいつはそんな奴じゃない。あいつがこんな事をするわけがない。

 それじゃあ一体誰が?

 しばらく考えたのち、俺は林檎の貯金箱を修復する事にした。このままにしておくのもなんだか癪だし、それに、もしかしたら星乃が顔を見せるかもしれないし……。

 が、 結局、その日も星乃は姿を見せなかった。