その大胆な行動に驚いてしまう。塑像台があるかどうかを確かめるとは言ったが、まさかその中身まで明らかにするとは。

 以前に見た時と同じように、塑像台の上にはうずくまる鳥のような形の粘土の塊があった。胴体らしき部分が少しひび割れているのも同じ。

 突然の星乃の行動に、俺達三人は呆気に取られていたが、すぐに蜂谷先生の

「それに触るなと言っただろう?」

 という冷たい声が聞こえ、星乃は慌てたように塑像台から手を離し

「ご、ごめんなさい……」

 二、三歩後ずさりながら謝る。

 強引なやり方だったが、確かに塑像台は存在し、その上に鎮座する作りかけの粘土像も確認できた。それなら、先生はまだ制作に対する意欲を無くしていなかったのか?

 星乃を見ると、彼女は躊躇いがちに蜂谷先生に目を向ける。

「あの、もしかして、この粘土像って、小鳥遊先輩が作ったものですか?」