「新菜だって、さっきの男の子とどうなのよ」

「えっ!?」

 ママからの反撃に動揺する。

「新菜だってあの子のこと好きなんでしょ?」

「ちょっとママ!」

「ママすぐ分かったわよ。手を繋いで微笑み合っちゃって」

「ママ!」

 ママの嫌味ったらしい言い方がしゃくに障る。そう思いながらも嬉しくて笑った。

 でも……ママの想いをなんとなく理解できたのも、蒼生くんのおかげだって思う。

 人を思う気持ち。

 大切な人が出来た想い。

 自分よりも大切にしたい人……。

 自分よりも――。

 改めて気づく想いに胸が締め付けられた。

 蒼生くんを助けたい。

 ううん、私がもっと蒼生くんと一緒にいたいんだ。

 どうしたらいいのか、ドキドキとはやる気持ちに頭が追いついていかない……そう思った時、ポケットに入れたスマホが震えた。蒼生くんからのSSFへのグループメッセージ。

『明日の放課後、いつもの場所で。SSF』