Side朔夜
正直、僕はフリートークは嫌いだ。
お題を与えられ、それに対して何かを話せと言われても……言葉が、話題が全然出てこないから。
それはきっと、僕自身には何もないから。
だからラジオも、生配信もイベントも、司会者やパートナーの問いかけに対してYESかNOかで答えるのが限界だった。
自分が空っぽな人間だと、突きつけられる瞬間だった。
最初は、それなりに悩んだ。
もっと、気が利いたことを話せるようになるべきか、バラエティタレントのように笑いも取れるようになるべきだろうかと……。
その返しが素晴らしいものであればそれで良いのだと……凪波は言ってくれた。
僕の良さを、ちゃんと広げればいいのだと、凪波は励ましてくれた。
そのおかげで、僕は徹底して受け身でい続けることができたし、いつの間にかそれが許される立場になることはできた。
けれども。
やっぱり……凪波と2人きりで話をする方がずっと楽しかった。
僕がもっと知りたいと尋ねると、凪波は嬉しそうにはにかんだ様子を見せながら、色々な知識を楽しげに語る凪波が可愛かった。
あの時間の全てが愛しくて仕方がない。
あの時間さえあれば、僕はちゃんとこの世界と繋がり続けられると思っていた。
だからこそ、僕はあの時間を早く取り戻したい。
この部屋には、凪波と紡いだ時間が漂っている。
その時間が、僕に後押しをする。
「次、リクエストは?」
「他にはないかな?」
僕は作業のように淡々と、同じことをカメラとマイクの前で繰り返す。
それは、僕という……凪波がいなければ何1つできない存在ができるただ1つのこと。
でも、その武器のお陰で、着実に目標には近づいていた。
2000
2500
3000
3500
僕がリクエストされたセリフを1ついう度に、視聴者数が500人、1000人とぐんぐん数字を伸ばしてくれている。
でも、まだ足りない。
きっとまだ、僕が求める者たちはここにはいない。
正直、僕はフリートークは嫌いだ。
お題を与えられ、それに対して何かを話せと言われても……言葉が、話題が全然出てこないから。
それはきっと、僕自身には何もないから。
だからラジオも、生配信もイベントも、司会者やパートナーの問いかけに対してYESかNOかで答えるのが限界だった。
自分が空っぽな人間だと、突きつけられる瞬間だった。
最初は、それなりに悩んだ。
もっと、気が利いたことを話せるようになるべきか、バラエティタレントのように笑いも取れるようになるべきだろうかと……。
その返しが素晴らしいものであればそれで良いのだと……凪波は言ってくれた。
僕の良さを、ちゃんと広げればいいのだと、凪波は励ましてくれた。
そのおかげで、僕は徹底して受け身でい続けることができたし、いつの間にかそれが許される立場になることはできた。
けれども。
やっぱり……凪波と2人きりで話をする方がずっと楽しかった。
僕がもっと知りたいと尋ねると、凪波は嬉しそうにはにかんだ様子を見せながら、色々な知識を楽しげに語る凪波が可愛かった。
あの時間の全てが愛しくて仕方がない。
あの時間さえあれば、僕はちゃんとこの世界と繋がり続けられると思っていた。
だからこそ、僕はあの時間を早く取り戻したい。
この部屋には、凪波と紡いだ時間が漂っている。
その時間が、僕に後押しをする。
「次、リクエストは?」
「他にはないかな?」
僕は作業のように淡々と、同じことをカメラとマイクの前で繰り返す。
それは、僕という……凪波がいなければ何1つできない存在ができるただ1つのこと。
でも、その武器のお陰で、着実に目標には近づいていた。
2000
2500
3000
3500
僕がリクエストされたセリフを1ついう度に、視聴者数が500人、1000人とぐんぐん数字を伸ばしてくれている。
でも、まだ足りない。
きっとまだ、僕が求める者たちはここにはいない。