理不尽と闘うには煙草を吸わないとやっていられない。ストレスが溜まる仕事内容に、血も涙もない鬼上司。当たり前にこなさなければならない残業。ストレスばかりが溜まっていく。

何もかもが霞んで見える。職場と家、それからコンビニを行き来するだけのつまらない日々。


社会人になるって、社会に適応するって、そういうことなんだって言い聞かせるしか術がない。こんなことなら、僕はやっぱり大人になんてなりたくなかった。


「86番、ください」

「かしこまりました」



煙草の値段が高い年々上がっていく。身体に良くないことなんか言われなくでもわかっている。

それでもやめられないのだ。

辞めたら、自分のイライラやどうにも出来ない気持ちを何処にぶつけていいかわからない。


仕事をすることは、自分を殺すこと。
煙草に頼ることは、死期を早めること。


どうしたらいいんだろうな、僕は。

煙草(こんなもの)に頼らず、上手く世界を渡りたいよ。何処からやり直したら、どこまで遡れば、僕はもっと優しい世界を生きることが出来たんだろう。