大学生になってから綺の門限はなくなり、23時でも堂々と外に出れるようになったらしい。


逆に私は学校に行かなければいけなくなったので、解散の時間が早まった。

県外の大学に通う杏未とは会う機会が減ったけれど、1か月スパンで実家に帰ってきているようで、そのたびに会っている。先月会った時は髪をハイトーンに染めていてとてもかわいくなっていた。


真夜中さんは大学3年生になり、付き合っていた彼女とは新学期になる前にようやく別れることができたらしい。

最終報告のみを聞かされたので、どういう経緯で別れ話を切り出したかは分からないけれど、真夜中さん曰く「おれ結構がんばりました」とのことだった。



「おれも、もし次誰かと付き合うことがあったら、無性に好きだって言いたくなるような人を選びます」

「それって俺と蘭が羨ましいってことっすか」

「そうとも言います」

「おほっ」

「え。ミヨーさん、このオタク君ちょっとキモいんですけど」

「時々出るあれなんで大目に見てください……」



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