皆が皆、マイやシホのように私のことを疎ましく思っていたとは思わないけれど、たとえば私が文化祭に行ったとしたら、今更来たのかよ、と思う人だっているはずだ。



散々学校に行くことを拒否したのは私で、そのまま時間が流れてしまったことはもう変えようがない事実。

もっと言えば、同級生は皆 当たり前のように将来に向けて歩いているわけで。不登校歴1年半の私は、もしかしなくても日数が足りなくて留年コース。

同級生は同じだけの年数を生きているのに、人生の進捗は私ばかりが滞っている事実を目の当たりにすることが、私はとても怖かった。



「あ、あの、蘭ちゃん。…無理はしなくていいの、わたしのワガママだから」

「あ…えっと、……ごめん。ちょっと考えてもいい?」

「ううん…!いいんだよ、本当に!学校じゃなくても、楽しいイベントっていっぱいあるもん。だから全然気にしなくていいからね…!」



曖昧で煮え切らない返事をすることしかできず、せっかく誘ってくれた杏未には、どうしようもない申し訳なさが募る。

図書館の中は冷房が効きすぎていて、つめたすぎる空気がどこか今の私と比例していて、とても居心地が悪かった。