依楼葉の額に、汗が滲んだ。

「もしかして……それは……」

「そうなのだ、咲哉殿。ぜひ、あのじゃじゃ馬に女房として、手伝ってほしいのだ!」

依楼葉は、頭を激しく横に振った。

「い、嫌です!私は、何を言われても、やりませぬぞ!!」

それを聞いた武徳は、じっと依楼葉を見つめた。


「えっ?」

「えっ?」

依楼葉も、武徳を見つめる。

「いや、婿殿ではなく、じゃじゃ馬に言っているだけで……」

「はははっ!そうでしたね。」

依楼葉は、一旦落ち着いた。

「母上様の実家にいる、依楼葉に一度聞いてみます。」

「そうか、そうか。頼みますぞ、婿殿!」

武徳は、依楼葉の手を握りしめた。


「この勢いで、桃花にも子供が、授かればいいのですが。」

「ははは。焦らない、焦らない。」

依楼葉は、勢いよく武徳の手を、上下に動かした。