「お許しください……」

依楼葉は、帝から離れようとした。

「いいや、許さぬ。」

だが帝は、もっと強い力で、引き寄せようとした。

「私の事を諦めるなんて、決して許さぬ。」

帝は、御簾納の中に依楼葉を連れて行くと、そのまま横たわらせた。


依楼葉の衣が脱がされ、帯が外される音がする。

「……逃げないのだね。」

上から帝が、艶めかしい瞳で見下ろす。

「そんな目で見つめられたら、逃げられるはずもありません。」

その言葉をきっかけに、帝は依楼葉の体を愛でて行く。

手や足、髪や唇、頬や首でされ、帝に触れられると、甘い吐息に変わった。

そして二人は、何度も何度も、熱く情を交わすと、息を切らしながら床に寝そべった。


「昼間から……こんなにも……熱く……求め合ったのは、初めてだ。」

帝は、尚も息を切らしている。

「私も……です。」

こんな情熱があったなんて、自分でも驚きだ。