まだ薄っすら赤いが、それでも火傷した時に比べれば、大分よくなった方だ。

「あとで薬を届けましょう。養生してください、橘の君。」

「恐れ入ります、尚侍。」

橘の君は一礼すると、依楼葉と藤の君の元を、去って行った。


「藤の君は、橘の君をどう思いますか?」

「そうですわね。賢くて、気遣いができて、お優しい方ですわ。」

藤の君は、橘の君を認めているようだ。

「もし今回の事が、橘の君の自演だとしたら、如何しますか?」

「ええ?」

藤の君は、とても驚いていた。


「そんな事、される方だとは、思いませんが……」

やはり、自分の思い過ごし?

依楼葉は、ちらっと橘の君を見た。

だが、怪しい動きは、一切していない。


「そうですわね。橘の君に限って、そんな事はありませんね。」

「ええ。」

依楼葉はニコッと笑うと、藤の君を別れた。


その夜。

依楼葉は、実家に文を書いた。