「そう。それならいいのだけれど。」
藤の君は、ほっと一息ついた。
「いえね。今まで帝の元へ入内された姫君は、1年もしないうちに、お里へ下がってしまって。結局藤壺の女御様お一人になられるから、皆口々に、藤壺の女御様が裏で手を回しているのではないかって、噂があるのよ。」
「藤壺の女御様が?」
「ただの噂ですけどね。」
- 藤壺に気をつけよ -
帝のあの言葉は、この事を言っていたのではないか。
「私達のところへも、あなたが入内されるんじゃないかって、噂が来るぐらいだから、藤壺の女御様のところにも、きっと流れていると思うわ。入内されるのも、ただの噂だと言うけれど、もし今回の事が、藤壺女御様の……」
「シッ!」
依楼葉は、藤の君の口に、人差し指を当てた。
「滅多な事を言うのは、止めましょう。」
「ああ、すみません。」
「いいえ。いい事を教えてくれて、助かりましたわ。」
藤の君は、ほっと一息ついた。
「いえね。今まで帝の元へ入内された姫君は、1年もしないうちに、お里へ下がってしまって。結局藤壺の女御様お一人になられるから、皆口々に、藤壺の女御様が裏で手を回しているのではないかって、噂があるのよ。」
「藤壺の女御様が?」
「ただの噂ですけどね。」
- 藤壺に気をつけよ -
帝のあの言葉は、この事を言っていたのではないか。
「私達のところへも、あなたが入内されるんじゃないかって、噂が来るぐらいだから、藤壺の女御様のところにも、きっと流れていると思うわ。入内されるのも、ただの噂だと言うけれど、もし今回の事が、藤壺女御様の……」
「シッ!」
依楼葉は、藤の君の口に、人差し指を当てた。
「滅多な事を言うのは、止めましょう。」
「ああ、すみません。」
「いいえ。いい事を教えてくれて、助かりましたわ。」