そして関白左大臣家にも、依楼葉を帝の尚侍にする事が、告げられた。

「ええ!依楼葉をですか!?」

それを聞いた東の方は、飛びあがる程驚いた。

「そうなのだ。依楼葉は?依楼葉はどこにいる?」

父・藤原照明は、興奮のあまり部屋の中を、歩き回る始末。

「……依楼葉なら、自分の部屋におります。」

「そうか!」

そして、そのまま依楼葉の部屋へ。

心配のあまり、母・東の方もついて行った。


部屋には、既に宿下がりを言われた依楼葉がいた。

「依楼葉!依楼葉!!」

遠くからでも、聞こえるくらいの大きな声で、父が自分の名を呼んでいる。

「父上様?」

父がそんなに興奮するなど、珍しいと部屋の外まで、顔を出した依楼葉。

「ああ、依楼葉!よくやったぞ!」

父は、依楼葉の掴んだ。

「何がです?」

「聞け、依楼葉。そなたが、帝の尚侍になったのだ。」

依楼葉は、茫然とした。