「それでも、行儀見習いとは良い事です。私もここに来る前に、母の実家にて、行儀見習いをしていました。」

「そうでしょう、そうでしょう。」

思い付きで言ったはずなのに、桃花と重なる部分があって、心なしか助かったと思う東の方。


「ああ。ようございましたなぁ、背の君様。」

「えっ?」

突然の事に、桃花と依楼葉は、顔を合わせる。

「……背の君様。早く、依楼葉様の婚姻が、決まればいいのにと、申していたでは、ありませんか。」

「ああ、そうだった。」

無理やり、話を合わせる依楼葉。

「このままで行けば、うまい具合に、婚姻先も決まりますね。」

桃花は、首を横に傾けながら、話をする。


自分の時には、愛想のない無表情で、最低限の事しか話さないと言うのに、相手が夫だと思うと、こうも可愛らしく話すのか。

依楼葉は、女は怖いと思った。


「では早速、今日の午後から、宮中に出仕しようかのう。」