東の方も、庭を眺めた。
そこには、兄弟仲睦まじい姿を見せる、依楼葉と隼也がいた。
「私はな。今回の出仕で、依楼葉に幸せを掴んで欲しいのだ。この世で恋しい者に恋しく思われる。それがどれ程の幸福なのか、依楼葉に知ってほしいのだ。」
そして東の方も、立ち上がる。
「それは、私達のようにですか?」
「ん?」
照明が振り向くと、東の方が静かに微笑む。
「うん。ま、まあ……そうだな。」
素っ気ない返事に、東の方は不機嫌になって、照明の背中を軽く押す。
「それに今回は、藤壺の女御様にお仕えするのだし。入内してからの事を学べる。女御様は依楼葉を気に入って下さっていると言うのだから、もしかしたら入内した後も、可愛がってくださるかもしれないしのう。」
そうなのだ。
今回照明が、依楼葉を説得したのは、依楼葉の元に帝を通わせる為の策略もあったのだ。
だが照明も依楼葉も、太政大臣家を甘く見過ぎていたようだ。
そこには、兄弟仲睦まじい姿を見せる、依楼葉と隼也がいた。
「私はな。今回の出仕で、依楼葉に幸せを掴んで欲しいのだ。この世で恋しい者に恋しく思われる。それがどれ程の幸福なのか、依楼葉に知ってほしいのだ。」
そして東の方も、立ち上がる。
「それは、私達のようにですか?」
「ん?」
照明が振り向くと、東の方が静かに微笑む。
「うん。ま、まあ……そうだな。」
素っ気ない返事に、東の方は不機嫌になって、照明の背中を軽く押す。
「それに今回は、藤壺の女御様にお仕えするのだし。入内してからの事を学べる。女御様は依楼葉を気に入って下さっていると言うのだから、もしかしたら入内した後も、可愛がってくださるかもしれないしのう。」
そうなのだ。
今回照明が、依楼葉を説得したのは、依楼葉の元に帝を通わせる為の策略もあったのだ。
だが照明も依楼葉も、太政大臣家を甘く見過ぎていたようだ。