花見の祝宴が終わった後、関白左大臣・藤原照明は、再度太政大臣・橘文弘に呼ばれた。
「えっ!娘の出仕をもう一度、考えて欲しい!?」
それは、依楼葉の父である藤原照明にとっても、驚く事だった。
太政大臣を務める橘文弘に、二度も出仕をお願いされるとは、前代未聞のことだ。
「それが、実はこの前の花見の祝宴の際、娘御に手伝いをお願いしてであろう?」
「はい。」
「その時に、我が家秘蔵の絵巻に書いてある漢字を読んで貰い、帝に見せて良い物か、教えて下さったと言うのだ。」
「あの……我が娘がですか?」
漢詩は、咲哉と同じくらい、いやそれ以上に読める事は知っていたが、まさか漢字までとは父も思っていなかった。
「その上、虞美人草の事まで話してくれた事に、我が娘も大層感心してのう。娘御をすっかり気に入ってしまったのだ。」
「それはそれは。一度お断りさせて頂いている身で、何とも光栄な事。」
「えっ!娘の出仕をもう一度、考えて欲しい!?」
それは、依楼葉の父である藤原照明にとっても、驚く事だった。
太政大臣を務める橘文弘に、二度も出仕をお願いされるとは、前代未聞のことだ。
「それが、実はこの前の花見の祝宴の際、娘御に手伝いをお願いしてであろう?」
「はい。」
「その時に、我が家秘蔵の絵巻に書いてある漢字を読んで貰い、帝に見せて良い物か、教えて下さったと言うのだ。」
「あの……我が娘がですか?」
漢詩は、咲哉と同じくらい、いやそれ以上に読める事は知っていたが、まさか漢字までとは父も思っていなかった。
「その上、虞美人草の事まで話してくれた事に、我が娘も大層感心してのう。娘御をすっかり気に入ってしまったのだ。」
「それはそれは。一度お断りさせて頂いている身で、何とも光栄な事。」