依楼葉は、力強い目で父と母を、見つめた。
「この依楼葉が!左大臣家を守ります!」
そこには、微塵の迷いもない、一人の若者が座っていた。
「それは、願ってもいない事でしょうけど、依楼葉……あなたの人生は、それでいいのですか?」
母は、依楼葉の身を案じた。
「この家が潰れれば、我が身も危なくなります。左大臣家を守る事は、我が身も守る事だと、我は思います。」
その言葉を聞いて、父は息を飲んだ。
「もしかしたら、いけるかもしれぬぞ。」
「あなた?」
父は、依楼葉の後ろに回ると、肩まである髪を、紐で簡単に結い上げた。
そして、自分の上着を依楼葉に着せ、冠も依楼葉の頭に乗せた。
その姿は、どこからどう見ても、咲哉にしか見えなかった。
「依楼葉は偶然にも、武術もできるし、漢詩も好きだ。文武両道だった咲哉の代わりが、できるかもしれない。」
「あなた……」
「この依楼葉が!左大臣家を守ります!」
そこには、微塵の迷いもない、一人の若者が座っていた。
「それは、願ってもいない事でしょうけど、依楼葉……あなたの人生は、それでいいのですか?」
母は、依楼葉の身を案じた。
「この家が潰れれば、我が身も危なくなります。左大臣家を守る事は、我が身も守る事だと、我は思います。」
その言葉を聞いて、父は息を飲んだ。
「もしかしたら、いけるかもしれぬぞ。」
「あなた?」
父は、依楼葉の後ろに回ると、肩まである髪を、紐で簡単に結い上げた。
そして、自分の上着を依楼葉に着せ、冠も依楼葉の頭に乗せた。
その姿は、どこからどう見ても、咲哉にしか見えなかった。
「依楼葉は偶然にも、武術もできるし、漢詩も好きだ。文武両道だった咲哉の代わりが、できるかもしれない。」
「あなた……」