綾子が知っている春の中納言は、自分が咲哉に扮した姿なのだが、こうして慕ってくれている人がいると思うと、依楼葉も複雑な気持ちになるが、その一方では嬉しくもあった。
「和歌の姫君は、早くにお亡くなりになってはいけないわよ。あなたも、お美しい方だから。」
「いえ……私は、綾子様に比べたら……」
すると綾子は、依楼葉の両手を握った。
「それにね。私達、せっかくお友達になったのだから、末永く仲良くしましょう。」
依楼葉は、久々に笑顔になった。
「はい。宜しくお願いします、綾子様。」
そして二人は、笑いながら藤壺の女御・桜子の元へ辿り着いた。
「何やら、賑やかであるのう。」
「申し訳ございません、藤壺の女御様。和歌の姫君を、お連れ致しました。」
「おお!そなたが、和歌の姫君か。」
依楼葉は、廊下に座ったまま、頭を下げた。
「関白左大臣・藤原照明の娘・依楼葉でございます。」
「和歌の姫君は、早くにお亡くなりになってはいけないわよ。あなたも、お美しい方だから。」
「いえ……私は、綾子様に比べたら……」
すると綾子は、依楼葉の両手を握った。
「それにね。私達、せっかくお友達になったのだから、末永く仲良くしましょう。」
依楼葉は、久々に笑顔になった。
「はい。宜しくお願いします、綾子様。」
そして二人は、笑いながら藤壺の女御・桜子の元へ辿り着いた。
「何やら、賑やかであるのう。」
「申し訳ございません、藤壺の女御様。和歌の姫君を、お連れ致しました。」
「おお!そなたが、和歌の姫君か。」
依楼葉は、廊下に座ったまま、頭を下げた。
「関白左大臣・藤原照明の娘・依楼葉でございます。」