まだ屋敷の中だからいいが、宮中でそんな事をされたら、たまったものではない。

「それにずっと、屋敷の中だけでは体がなまってしまいます。私もそろそろ宮中に顔を出したいと、思っていました。」

「なんと……」

楽観的と言うか、じゃじゃ馬気質と言うか、だがこれが依楼葉らしいと、父・藤原照明はほっとした。

この前、帝との間柄を聞いた時、なぜか切ない表情をしていた依楼葉。

もしかしたら、この恋は破れてしまったか、我が娘の身を案じていた。

だがいつまでも、沈んでいる娘ではない。

これが、気分転換になればと思った。


「では、藤壺の女御様には、お受けすると申していいのだな。」

「はい。お願い致します。」

その明るい顔を見て、父・藤原照明はこれなら大丈夫と、太鼓判を押した。


後日、花見の祝宴の際、依楼葉が手伝いに行く事が、藤壺の女御・桜子の耳に無事届いた。