「ああ。話してみよ、右大臣。」
「はい。」
右大臣は元々、帝と直接話ができる位。
蔵人も中納言である依楼葉も、後は聞いているだけだった。
「実はこの前の米の配給場所が、思ったよりも多く見受けられます。」
「どれ程多い?」
「二十程でございます。」
「そうか。十程であれば見当はついていたが、言う通りやや多く感じる。」
依楼葉は、黙って右大臣と帝の話を聞いていたが、五条帝の声はやはり心に響く。
「はい。その分、公卿に渡る米の配分が、少なくなる恐れが出て参りました。」
「それは、関白左大臣は、知っているのだろうか。」
「恐らくは、知らぬ事かと……」
ふと依楼葉は、五条帝の視線を感じた。
父の名が出たせいとだと思った依楼葉は、誰かに何かを尋ねられるまで、微塵も動かなかった。
「分かった。一度、他の二人の大臣も交えて、その件を考えてみよう。」
「はい。」
依楼葉が、帝の視線を感じたまま、二人の話は終わった。
「はい。」
右大臣は元々、帝と直接話ができる位。
蔵人も中納言である依楼葉も、後は聞いているだけだった。
「実はこの前の米の配給場所が、思ったよりも多く見受けられます。」
「どれ程多い?」
「二十程でございます。」
「そうか。十程であれば見当はついていたが、言う通りやや多く感じる。」
依楼葉は、黙って右大臣と帝の話を聞いていたが、五条帝の声はやはり心に響く。
「はい。その分、公卿に渡る米の配分が、少なくなる恐れが出て参りました。」
「それは、関白左大臣は、知っているのだろうか。」
「恐らくは、知らぬ事かと……」
ふと依楼葉は、五条帝の視線を感じた。
父の名が出たせいとだと思った依楼葉は、誰かに何かを尋ねられるまで、微塵も動かなかった。
「分かった。一度、他の二人の大臣も交えて、その件を考えてみよう。」
「はい。」
依楼葉が、帝の視線を感じたまま、二人の話は終わった。