それは蔵人を通してではなく、五条帝直々の言葉だった。
依楼葉は驚き過ぎて、返事ができない。
「春の中納言殿?」
見かねた蔵人が、依楼葉に話しかけた。
「あっ……失礼致しました。」
依楼葉は、五条帝に頭を下げた。
「はい。お陰様で、こうして出仕できる程になりました。」
「それは、何よりだ。」
低くて、柔らかい声。
依楼葉は、この前の天幕の事を思い出し、また心臓がドキドキしてきた。
「では、本題に入るとしよう。」
五条帝の一言で、依楼葉は帝の御簾納の側に、移動しなければならない。
もっと、帝に近づく。
依楼葉は、意を決して、座る場所を移動した。
「では、お上。この前の飢饉のおり、米を開放した件ですが……」
右大臣が発した言葉を、依楼葉は帝に伝えなければならない。
依楼葉は、帝の方を向いた。
「お上に申し上げます。この前の飢饉のおり、米を開放した件と、右大臣は申されております。」
依楼葉は驚き過ぎて、返事ができない。
「春の中納言殿?」
見かねた蔵人が、依楼葉に話しかけた。
「あっ……失礼致しました。」
依楼葉は、五条帝に頭を下げた。
「はい。お陰様で、こうして出仕できる程になりました。」
「それは、何よりだ。」
低くて、柔らかい声。
依楼葉は、この前の天幕の事を思い出し、また心臓がドキドキしてきた。
「では、本題に入るとしよう。」
五条帝の一言で、依楼葉は帝の御簾納の側に、移動しなければならない。
もっと、帝に近づく。
依楼葉は、意を決して、座る場所を移動した。
「では、お上。この前の飢饉のおり、米を開放した件ですが……」
右大臣が発した言葉を、依楼葉は帝に伝えなければならない。
依楼葉は、帝の方を向いた。
「お上に申し上げます。この前の飢饉のおり、米を開放した件と、右大臣は申されております。」