そう言ってからバルクロはしまったと言うように顔をしかめた。

サラは二人のやり取りを聞きながら、これまでのことを思い返した。

エレインはヴィルヘルムを返して欲しいと言ってきた。ヴィルヘルムはバルクロに騙されて箱に閉じ込められたのだと。

そしてエレインの話ではバルクロは魔物をあちらの世界へ否応なしに攫っていく悪者だと伝えられた。

一方バルクロはエレインは性悪魔女だと言う。どちらの言っていることが本当なのか、サラには判断できない。

それになぜ急に地下室に移動してしまったのかも謎だった。

考えられるとすれば、誰かが魔法陣を使ってサラを地下へ導いた。ハンナが吸血鬼になろうとするのを辞めさせるためだろうか。そもそもハンナはどうやって地下に行ったのか。

「ねぇ、バルクロはどうやって地下に入ったの?」

グレンとバルクロの険悪な雰囲気を気にしている余裕もなく、サラはバルクロに尋ねていた。

バルクロはずっとショーで奇術の館のみんなと一緒にいたはずだった。

「いなくなった君を探して部屋に行ったら、魔法陣があってそこから、かな」

「グレン、ハンナお嬢様に奏での箱を渡したのはあなた?」

「まさか! 奏での箱はまだ見つかっていない……。あぁそうか、それで御先祖様が目覚めたのか」

サラとハンナを地下室へ導いたのはグレンでもバルクロでもない。

「誰が何のために私たちを地下へ移動させたのかしら」

「エレインは魔法陣が使える。奏での箱を持っていたのももしかしたらエレインかもしれない。あっちも箱を集めてるはずだから」

バルクロは眉根を寄せてそう言った。

「エレインが?」