「外が騒がしいようだけど?」

グレンの姉アナベラがそう言って掃き出し窓の外に目を向ける。

メインの料理が終わりデザートが来るのを待つ間、ちょうど会話の途切れたところに外の歓声が聞こえてきた。

「子どもたちのために奇術師を呼びました。今頃外で食事をしながらショーを楽しんでいますよ」

グレンはまたアナベラに何か小言を言われるのではないかと内心身構えていた。

「なら私たちも外でデザートをいただくことにしましょうよ。私も奇術ショーを見てみたいわ」

そう言ったのは二番目の姉キャスリンだった。キャスリンは小難しい話よりも娯楽を好む。長い話し合いにそろそろ飽きていたようだ。

グレンは一同を見渡し、皆がキャスリンの意見に同意しているのを見ると、デザートを外に運ぶようエドニーに伝える。

その時エドニーからサラが奇術ショーに出ることを耳打ちされたグレンは一瞬眉を寄せた。嫌な予感に胸がざわつく。

「では続きは庭で」

客たちを促し、グレンも席を立つ。

庭に直接出られるよう開け放たれた窓から、賑やかな歓声と湿った夜風が流れ込んできた。

庭に設けられた舞台の上では道化師が玉乗りを披露しているところだった。

給仕にデザートの件を伝えて戻ってきたエドニーに、サラの居場所を問うと、返って来たのは「箱に入って胴体を真っ二つに切断されるらしい」というあまり楽しくない話だった。

しかも箱を切るのはあのバルクロだという。

これはただの余興であって、本当に胴体が切断されるわけではないことはもちろん分かっている。

それなのに、ショーに出る予定のなかったサラが舞台に借り出されたことのすべてが、バルクロに仕組まれていたように思えてならない。

「あいつは一体何をするつもりなんだ」

グレンは舞台から目を離せず、成り行きを見守るほかなかった。

やがて、道化師が玉に乗ったまま舞台を下りると、代わりに舞台に上がったのは黒いマントを羽織ったバルクロだった。