すっかり日の暮れた庭に、虫の鳴く声が響いている。

ヒュルルっと音がしたかと思うと、夜空に大輪の花が咲いた。晩餐会の開始を彩るための花火が打ち上げられたのだ。

「あ、奇術ショーが始まっちゃう。サラも一緒に行かない?」

鼻をすすって笑顔を作ったハンナが、パッと立ち上がってそう言った。

奇術ショーがあるとは聞いていなかったが、サラにハンナの誘いを断る理由などない。

ハンナに手を引かれるままに、庭に張られたテントの方へと向かった。

ひときわ明るい光に包まれたそこには馴染みの奇術師たちが舞台を整えているところだった。

大人たちが晩餐会を開いている間、子どもたちが退屈しないようにとグレンが呼んだのだそうだ。

サラに何も知らせていなかったのは、サラを驚かせようという意図があってのことか、ただ忙しくて伝えそびれていたのかは分からない。

でもサラは何となく前者のような気がしていた。