再びグレンの部屋に集まったサラ、グレン、バルクロの三人だったが、グレンはまだバルクロを信用してはいない。

地下に、ローラの元に連れて行くことを渋っていた。

バルクロの方はローラが地下に眠っていることをサラから聞くと、自分も地下に行くと言って引かなかった。

「僕を除け者にするなら、箱は貸せない」

「信用できない相手をローラの元に連れて行くことはできない」

「地下にエレインが来て邪魔をしたらどうするつもり? あっさり箱を奪われてローラを永遠に目覚めさせることができなくなってもいいの?」

「エレインとはどういう関係なんだ? 今の段階では君もエレインもどちらも信用することはできない。俺が信じているのはサラだけだ」

きっぱりと言い切るグレンに、サラは心の中でグレンを疑ったことを謝った。

その一方でバルクロのことも疑いきれないでいた。

「ねぇ、バルクロ。本当のことを教えて。母とはどういう関係なの? 弟子っていうのは嘘なんでしよ?」

バルクロはサラに向き直ると、顔を歪め両手で金の髪を掻きむしるように頭を抱えた。

「ずっと隠しておくつもりだったけど、もう本当のことを話す時なのかな」

バルクロはそう言って俯けていた顔を上げた。まるで泣き笑いのような顔は、今まで見せたことのない頼りない子どものような表情だった。

バルクロの心の中では、ローラが目覚めた時傍にいたいという思いと、サラに本当のことを知られるのが怖いというふたつの思いがせめぎ合っていた。

やがてバルクロは心を決め、グレンに目を向けると、

「長い話になるけど」

と断ってから話し始めた。グレンは肩を竦めて二人にソファに座るようすすめた。

「ローラと出会ったのは二十年近く前だ……」