「怖い……。でも、友達と一緒だったら平気」

「そう。いつまでも寝室の明かりを消せないんじゃ恥ずかしいものね。今日は私のステラを貸してあげてもいいわよ」

リリーの言葉はぶっきらぼうだけれど、ハンナを心配しているのだと分かる。

これまでハンナには伝わっていなかった思いが、きっとリリーにもあるのだろう。

「ステラを?」

ハンナは目を丸くして、リリーを見ていた。後で聞いたところによると、ステラはリリーの大事にしているうさぎのぬいぐるみだそうだ。

サラは三人をゲストルームまで送り届けると、別れ際に占いの結果を伝えた。

「エレイン様は領主様と結婚されることはないと思います」

リリーはエレインが領主と結婚するのでないならさっさと退散してもらうと言っていた。エレインについてはまだ不可解な点がたくさんある。

「エレイン様から箱を受け取ってはいけません」サラはそう付け加えると、三人におやすみなさいを言って領主の部屋へと向かった。

何故そんなことを言ったのかサラ自身にも分からないままに。