陽ちゃんとは、私が生まれた時からずっと一緒だ。

私が生まれる少し前に隣に引っ越してきた陽ちゃん一家とは、物心がついた時には既に家族ぐるみの付き合いになっていた。そんな私にとって、彼はお兄ちゃんのようであり、それでいて一番近い異性でもあった。


陽ちゃんも私もひとりっ子だということもあって、兄妹のように育てられてきたし、小さい頃はよく同じ布団で寝て、お風呂だって一緒に入っていた。私たちが顔を合わせなかった日なんて、きっとこの十六年間で数えるほどしかない。

そんな日々を過ごしてきた私にとっては、彼がいつも傍にいることは当たり前だった。


幼稚園も小学校も中学校も同じところだったし、高校だってわざわざ陽ちゃんを追いかけて受験した。ひとつ年上の彼がいつも先を行くのが寂しくて、いつだって早く追いつきたかった。


お隣に住んでいる幼なじみの隣にいるのは、私。当たり前のことなんかではないのに、頭のどこかではそれが普通のことだと思っていたからこそ、ずっと追いかけてきたんだと思う。


いつから好きだったのかと問われれば、明確な時期は答えられないけれど……。とにかく、私は陽ちゃんのことが大好きだ。