「もう、あれから2年経つんだね」

「──そうだな」

「私たち、このまま……生きていてもいいのかな」

「……」


 二人だけのひっそりとした屋上。
 校庭の向こうに広がる街並みを見下ろし、かすれた声でつぶやいた。

 遠くを見つめる幼なじみの横顔からは、返事がない。
 私の言葉は、ただの独り言として風に消えていく。



 できることなら、2年前に戻りたい。


 ──彼が生きていた、あの頃に。