「じゃあおっちゃんらも見せてや」


多分、そんとき、みんなポカンとした顔をして喋らんかったと思う。
2回目に「ズボンの下、出しや」と、胡座をかいているジジィの1人に腕を組みながら立って見下ろす。



奈々(なな)お前、なに――⋯」


そんな中、一人のジジィが口を開き。



「なに驚いてん? おかしいやろ。あの人に乳見せろ言うんやったら、見せれるやろ。親戚やもんなぁ?はよしぃや」

「お前っ、」

「何怒ってん?」

「お前なんちゅー口きいてんや!!」

「おっちゃんらだっておかしいやろ!! さっきから聞いとったら気分悪いわ!! 女と子供虐めて何が楽しいんや!!?!」



紺色の、服。
紺色の、スカート。

俺よりも少し背の高い彼女は、また別のジジィに目をつけると「お前の甥は1人だけか!!? 姪もおるやろ!!」と怒鳴りつけ。


「おばちゃんも!! 赤ちゃんおったら無理なん分かってアホな事ゆうな!!さっきの全部録画してるからな!? ネットでばら撒くからな!!」


台所に向かって、また叫び。




「―――ごめんなぁ、こんなアホな奴らで。頭おかしいでな。上に私の部屋あるからそこで赤ちゃん寝かせたらええよ!」



俺と、おかんの方に振り向いたその人は、この場の雰囲気に似合わず、にこにこと笑ってた。