忘れてるから、俺はお姉ちゃんに、分からんようお金を渡してる。


今の俺は、お姉ちゃんにとって〝拓海〟やから。


〝彼氏〟やから。

もうすぐ〝夫〟になるから。



俺はお姉ちゃんに、昔のお姉ちゃんの思い通りに、お姉ちゃんにお金を渡してる。


お姉ちゃんの両親も、「嫁に行かれへんから面倒見て」って、言っとったから。


俺はずっとずっと、お姉ちゃんにお金を払い続ける。せびりたかったお姉ちゃんの願い通りに。



なあ。お姉ちゃん、俺ほんまに嬉しかってん。


あのお姉ちゃんが嘘やって知っても、好きなんやめられへんかった。


やっぱり俺の中で、お姉ちゃんは女神やねん。