そして、判決が言い渡される日がやってきた。

 裁判官の判決が下るだけだ。

 沈黙の中、緊張が一気に押し寄せる。

「主文、長谷川氏を懲役ニ年の刑に処す。なお、この裁判確定の日から三年間その刑の全部の執行を猶予する」

 長谷川は、執行猶予つきの再判決となった。

 命が小さく、ガッツポーズをしている。

 俺にはそんな風に見えた。

 《第6話 完》